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modoのセットアップモード

今回はセットアップモードについて書いてみます。セットアップモードはメッシュ変形(デフォーマ)に欠かせない特殊なシーン状態です。
セットアップモードの概念自体は珍しいものではなく、3Dソフトには何かしら同じような仕組みがあります。他の3Dソフトでは機能が分かれてたりしますが、modoはセットアップモードとしてまとめられてるのが便利です。

 

セットアップモードとは?

セットアップモードはデフォーマやIK計算の基準となるアイテムの「初期位置」を格納する特殊なシーン状態です。

3Dソフトではスケルトン(ボーン)を配置して、スケルトンを移動や回転させることでポリゴンメッシュを変形してアニメーションするのが一般的です。例えばスケルトンを90°回転してメッシュを変形したとき、どの位置からスケルトンが回転したのか基準となる情報が必要になります。この「どの位置?」を格納しているのがセットアップモードです。

セットアップ ボタンを押すとビューポートに黄色の枠が表示されセットアップモードに切り替わります。セットアップモードではデフォーマに関連したアイテムが初期位置に移動します。デフォーマによるメッシュの変形は全て無効になりますが、コンストレイントやIKなどのチャンネルモディファイヤは動作します。

 

セットアップモードのメリット

セットアップモードで便利なのがスケルトンの位置調整です。キャラクターリグを作成してポーズをつけてみたものの、動かしてみたら間接の位置に違和感があることがあります。セットアップ段階ではこの調整が頻繁に発生しますが、modoはセットアップボタンでアニメーションとセットアップモードを行き来しながらスケルトン位置を調整できるので便利です。

3ds MaxだとBipedの「フィギュア モード」や CATの「設定/アニメーションモード切替」と、 スキンモディファイヤの「常に変形」と同じ感じです。LWだと「ボーン編集モード」、MayaのHumanIKだとReference用のスケルトンを「スキンされたジョイントの移動」する感じかな?

 

セットアップモードのアイテム位置

セットアップモードに切り替えたときアイテムの位置や角度が変わります。これはチャンネルに複数の値を格納する仕組みを利用しています。チャンネルに「セットアップ/静止値」を設定すると、セットアップモードで値が切り替わります。

少し複雑そうですが General Influence の「エフェクタ」に接続されているアイテムは、トランスフォーム(移動、回転、スケール)を編集すると自動的に「セットアップ/静止値」が設定されます。この仕様によりデフォーマを使う場合は「セットアップ/静止値」を意識することなくセットアップモードを使用することができます。
バインドしたスケルトン、トランスフォームデフォーマ、スプラインデフォーマ等のロケータはこの仕組みで初期位置が設定されます。

自作のリグを作成する場合は「セットアップ/静止値」の仕組みを理解しておくと便利です。「セットアップ/静止値」は全てのチャンネルに設定できるので、セットアップモードでチャンネルモディファイヤを無効にしたり、「セットアップ/静止値」が設定されているトランスフォームにリグを構築することができるようになります。

セットアップモードの仕組みがわかると、デフォーマを多用するキャラクターリグも構築しやすくなるのではないでしょうか。

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