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UnityがWetaDigitalエンジニアリングチームを買収

UnityがWetaDigitalのアーティスト用ツール、コアパイプライン、知的財産、エンジニアリングを16億ドルで買収したと発表しました。
ツールだけでなく市街環境、自然環境、動植物、人間、人工物、マテリアル、テクスチャ等のアセットもUnityに引き継がれた用です。

先日発表されたMayaや Houdini用のツールを販売するWeta DigitalのVFX サービスチームは、WetaFX の名称で独立会社として存続するようです。

https://blog.unity.com/ja/news/welcome-weta-digital

Unity は本日、Weta Digital のアーティスト用ツール、コアパイプライン、知的財産、そして世界的にも評価されるエンジニアリング人材買収の最終合意に達したことを発表しました。

アカデミー賞受賞で知られる Weta Digital の VFX サービスチームは、WetaFX の名称で独立会社として存続し、メディアおよびエンターテインメント業界における Unity 最大の顧客となります。

業界をリードする VFX ツールと Weta の素晴らしいチームが持つ技術力、そして Unity の開発とリアルタイム 3D に対する知識を組み合わせることで、メタバースの可能性を存分に解き放つツールをお届けしたいと考えています。

 

ツール紹介

  • Manuka:Manuka は最終版のフレームの生成に使われるパストレーシングレンダラーのフラグシップツールで、指定のスペクトルライティング設定における物理的に精確なレンダリングを行えます。
  • Gazebo:Gazebo はパイプラインが接続されたあらゆるアプリケーション内で、現実感のあるビジュアルと共にリアルタイムでシーンを確認できるコアインタラクティブレンダラーです。Gazebo の 3D ビューポートのリアルタイムレンダリングは、Manuka でのレンダリングに近づいているため、アーティストはどのアプリケーションを使用していても、最終版のフレームを想定したイテレーションが可能になります。また、Gazebo はプリビジュアライゼーションとバーチャルプロダクションワークフローのための制作パイプラインの中核をなします。
  • Loki:Loki は水、煙、毛髪、布地、筋肉、植物を含むビジュアルエフェクトの物理ベースシミュレーションを行います。クロスドメインカップリングと高精度数値ソルバーの使用により、複雑なシミュレーションにおいて物理的精確性が実現されます。
  • 物理ベースワークフロー:ライティングとカラーワークフローの基礎を提供する PhysLight、PhysCam、HDRConvert を含むツール群です。これらのツールを使用することで、アーティストはスペクトルベースのライティングを作成し、各種レンズ、センサーおよびパイプラインの他のパートの効果を精確に再現できます。これにより Gazebo と Manuka 両方のための物理的に精確なレンダリングワークフローが実現されます。
  • Koru:Koru は速度と複数キャラクターでのパフォーマンスに最適化された高度なパペットリギングシステムです。Koru を使用することで、テクニカルディレクターとデベロッパーは、ハイパフォーマンスアニメーションやクロスシミュレーション、その他の類似の応用を実現するための、コンストレイント、リグ、デフォーマー、パペットを作成できます。
  • Facial Tech:Facial Tech は高度なフェイシャルキャプチャとマニピュレーションのワークフローを提供し、機械学習を使用して顔の筋肉の直接操作とアクターの顔キャプチャの対象(パペット)モデルへの転写を行えます。
  • Barbershop:Barbershop は毛の成長からグルーミングまでの全ワークフローをサポートする毛髪と毛皮のためのツールセットです。アーティストはプロシージャルツールとアーティスト主導ツールの組み合わせにより、毛髪と毛皮の成長、成長パターンの調整、最終モデルのグルーミングを行えます。高度なプロシージャルツールは髪の毛の編み込みなどの概念に対応し、生成されるモデルは初めからシミュレーションに対応して、動作と風のもたらすリアルな動きを再現できます。
  • Tissue:Tissue により、アーティストとアニメーターは生物学的に正しいキャラクターの解剖学的モデルを作成できます。出来上がったキャラクターは筋肉と皮膚の正確な動作が反映されていて、シミュレーションツール群に転送できます。
  • Apteryx:Apteryx は、羽毛のプロシージャル生成、ハンドスカルプティング、アニメーション対応の羽毛を持つ生物や衣装のグルーミングに始まるフルセットのワークフローを可能にします。
  • World Building:世界の構築、レイアウト、惑星規模からより小規模までのセットの仕上げに対応したツール群です。Scenic Designer と Citybuilder を含みます。これらのツールにより、アーティストはプロシージャルにノードグラフを伴うシーンを作成し、プログラムを使ってコンテンツを配置し、配置を手動調整できます。
  • Lumberjack:Lumberjack はモデリングツール、編集ツール、デフォーメーションツールを含む植生用のコアツールセットを提供します。Lumberjack を使用することで、アーティストは植物トポロジーを作成、編集することができます。その要素にはアニメーションジオメトリ、詳細度(LOD)の管理、インスタンシング、個々のアセット間のバリエーション性が含まれます。
  • Totara:Totara は植生とバイオームのプロシージャルな繁茂とシミュレーション用のシステムです。Lumberjack と組み合わせて大規模で複雑なシーンをプロシージャルに生み出せます。アーティストは Totara を使って一本一本の木から森全体までを生み出すことができ、ツタなどの植生も生やし、成長パラメーターを調整したり、バイオメカニクスを制御したり、雪で覆ったり、シーンの複雑度とサイズを減らしたりすることができます。
  • Eddy:Eddy はボリューメトリックエフェクトを洗練させるための高度な液体、煙、炎の合成プラグインです。Eddy により、アーティストは新しい高品質な流体シミュレーションを生成し、合成環境の中で直にレンダリングすることができます。
  • Production Review:HiDef と ShotSub はプロダクションレビューのための基礎をなします。HiDef はプロダクションレビューの中核ツールで、コメント保存、バージョン閲覧などの機能を備え、正確な色を再現可能なブラウザーと再生エンジンが統合されています。ShotSub はプロダクションレビューの中核ツールで、適切な色空間、フレーム範囲、フレームレートと解像度設定のもとアーティストの作業結果をレビュー用に準備するツール群が含まれています。
  • Live Viewing:Live Viewing は配置済みカメラフィードによるリアルタイムでの CG コンテンツのミキシングを行うツール群です。オンセットビューのライブミキシング、クロマキーや他の CG エレメント上への CG エレメントのライブ合成、モーションキャプチャパペットへのフェイスキャプチャの深度に基づくライブ合成とプロジェクションをサポートします。
  • Projector:Projector はスケジューリング、リソーシング、予測をサポートする制作用ツールです。データアクセスの制御と制作における意思決定を向上させるための分析を行えます。

 

買収のもう 1 つの目玉は Weta Digital から Unity に引き継がれるアセットライブラリです。市街環境、自然環境、動植物、人間、人工物、マテリアル、テクスチャなど多くが含まれます。

WetaFX チームは、今後も大作映画とテレビ作品のために業界最先端の VFX 制作を続け、このアセットライブラリへのアセットの提供をさらに進めます。

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