参考資料

「映画ドラえもん のび太の新恐竜」メイキング記事

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シリーズ屈指の人気テーマを3DCGの利点を活かして描き出す

アニメーションに関しては、リアルな大型生物の動きにアニメ的な演出を付与して対応したものの、難航したのはルックだった。まずは「ライン」「カラー」「シャドウ」からなる一般的なアニメCGのルックで様子を窺ったところ、今井一暁監督から「恐竜図鑑の挿絵のような細かさ、セルとは異なる"美術が動いているような質感"を」と求められ、何段階かの変遷を経て完成に至ったという。

 

独特の見映えを徹底追求したルックデヴ

いわゆるセルアニメ調で制作したファーストルック。

指標となるルックを目指し、CG側で再現した最終ルック。

セカンドルックをシンエイ動画がレタッチしたもの。直接光や間接光、タッチが描き込まれている。

AOVs

[1段目]Diffuse、beauty、multimatte(マスク用)、line(Pencil+ 4)
[2段目]Fresnel、鱗テクスチャ、normal、AO
[3段目]描き影、rampshadow、multimatte(マスク用)、finallook
[4段目]筆テクスチャ(大)、筆テクスチャ(小)、Specular、shadow

 

図鑑風仕上げのためにハイモデルをスカルプト

図鑑の挿絵のような仕上げを実現するために、ハイモデルをスカルプト。コンポジットで重ねるために、鱗などのディテールをつくり込んでいる。登場するCG恐竜25体のうち24体でハイモデルが制作された。

 

XGenによる毛の表現

本作で登場する羽毛恐竜は4種類。毛はXGenで表現されている。

毛の法線が1本1本出ているとリアルでノイジーになってしまい、コンポジットで使い勝手が悪いため、毛が生えている面から法線を転送して均している。

 

演出を汲み取り3DCGのフィールドで膨らませる

 

演出に合わせて周囲との干渉まで表現する

カットの演技を詰めるために撮影したリファレンス動画。

 

Alembicを組み込んだ群衆対応リグ

恐竜が一度に大量に登場するカットは、あらかじめアニメーションを数パターン作成しAlembic出力した上で切り替え用コントローラを付与して1アセット化。プテラノドンでは6種ほどのアニメーションを組み込んでいる。

シーンとしては軽くなるがアニメーションのシークは重たくなるため、20体程度でシーンを分けている。このカットでは3分割された。

 

フローを見直し安定してレンダリング

大量のカットをミスなく捌くため、Shotgunの導入や、アニメーションシーンを引き継がずAlembicで出力した上でレンダリングシーンを構築するフローに変更。マテリアルの割り当てやXGenの読み込みなどの設定類をツール化し、可能な限りミスを減らしている。

 

色指定とコンポジット

25種類の恐竜は登場する場面ごとに色指定が行われ、それぞれにAfter Effectsのコンポジションが用意されている。それらの「シーンカラーAEP」は、CG恐竜の登場する25場面に、恐竜ごとに用意され、計93ファイルに及ぶ。

これを手動で適切に納品コンポジションに組み込むのはヒューマンエラーのもととなるため、自動的に組み込み・素材置き換えを行うツールが用意された。

 

制作終盤、図鑑風の仕上げも維持しつつ、ディテールを減らした仕上がりとブレンドし撮影側で作画との馴染ませ具合を調整できるよう、コンポジション構造の変更があった。

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