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3DCGムービーの出来るまで。(2005/12/31)

はじめに

モデリングの解説サイトは多々見かけますが、
アニメーションに関しては、余り見ることがない気がするので
これから作りたい!作って見よう!!という方の
ささやかな手助けになればと思います。

ここで解説する「流れ」は、あくまで1例に過ぎませんので
これが正しい!とか、こうすべき!というものではありません事
ご了承ください^^;

さらに知識を得たい場合、 私の稚拙な文章だけでは不十分ですので
各項目の最後に、役に立ちそうな本のリンク(AA)を置きました。
気になったら買って見てください:)



制作工程

スコタコ大戦」という、自作ムービーを元に解説していきます。
ムービー作りの工程は、大きく分けて以下のようになります。

音も自分で作る場合、録音や作曲、アレンジ等の作業も入ると思いますが
映像のメイキングということで省略します。



1.コンテとは

コンテは大きく分けると
良く目にする?絵コンテや、
文字のみの字コンテという物があります。
細かなローカルルールも存在すると思いますが、
私的な解釈を書いておきます。

字コンテは各カットに必要な情報を字で箇条書きのように書きます。
絵と違い、情報処理のイメージに幅があるため
シーン内で試行錯誤したり
絵があった場合では出ないようなイメージを作る事ができたりします。
反面、集団で作業するような場合、イメージのギャップが大きくなり
コントロールが難しくなると思います。

絵コンテの例
自分でしか見ないので、いい加減に書いてますが、 SEなど音関係はおまかせになるので、イメージ音は細かく書いてます。

絵コンテはカットやシーンの情報が図解されています。
集団作業のような場合でも、イメージや情報のコントロールがしやすいので
大きな食い違いが起きないと思います。
私の場合は双方のメリットを得るため、絵コンテの形でコンテを書きますが
シーン内で試行錯誤し、出来上がりの結果を優先する形で作業しました。

絵コンテは絵が漫画のように並んでいるため
「誰でも読める」という雰囲気がしてしまいますが、
コンテは映像の設計図とも言われている通り、
実際には大変難しいものだと感じています。

漫画と違い動画を前提にしたコンテには時間という概念があるため
コンテ内の情報と、設定された時間が演出の意図された通りであるか。
という、とても重要な事を読みとったり、書かなければならないのです。
このため、コンテを読めるようになるには訓練が必要です。

コンテ関連の資料(AA)

映画監督術(左)
カメラ移動等の手法や表現の明確な説明がなされてます。他にもコンテの意味や重要性について書かれており、映画作りトータルの解説書になってます。広く色々知るためには良い本です。

スタジオジブリ絵コンテ全集(中)
テレコム時代に新人育成を目的に作られた技術解説が記載されています。
このシリーズのコンテ本なら、どの作品にも解説が付いてると思います。

押井守「パトレイバー2」演出ノート(右)

氏独自の完成したレイアウトシステムの解説。画面に対する細かな演出意図の数々が解説されてます。一見の価値のある本です。
映画「イノセンス」版もありますが、個人的にはP2版がお勧めです。

他、関連書籍はこちらにまとめてますので、興味のある方はどーぞ。

2.モデリング&テクスチャー

3DCGソフトでモデリング(形を作る)し、
2Dソフトでテクスチャー(表面の色・質感)を描いたりします。
私が使用している3DソフトはLightWaveです。

形状を作る作業中の画面。
CGの場合、細かなディテールが多いとレンダリングが遅くなるので、ムービーの規模によって作りこみを変えるのが良い。

具体的なモデリング等はWEBでも情報が充実してるので、
特に書くことはありません^^;

コンテを一通り見直してみて必要な物。
想定していたが不要になった物を洗い出すと
無駄な作業をすることなく、テンポ良く作業をする事が出来ます。
逆にコンテに追加できる物や良いアイディアが浮かぶかもしれません。


パソコン、CGというと
簡単に何でも出来ると思われてる方も居るかも知れませんが、
何でも出来ると言えば出来るが簡単ではありません。
人形アニメやクレイアニメ同様、
画面に映るもの全てを手作りで作らなければいけません。
何でも出来るが要求される物によっては、無茶苦茶コストが掛かります。

3DCGはリアルなイメージを作るのに向いていますが
まだまだ発展途上の表現技術であるため、
自然物、水、炎、煙など本当にリアルな物を作るのは大変で
時間がかかる表現も多いです。



3.シーンセットアップ&キャラクターセットアップ

【シーンのセットアップ】
今回のムービーだと、バトルングをする舞台を作ります。
モデリングされた物をLightWaveのレイアウトで配置し、
ライティングと質感付けを行います。

舞台を設定中の画面。
広範囲に及ぶライティングは難しい。毎回迷うのだが上手い方法ないもんですかね〜

ライティングによって質感が変わってしまうため、
シーンのライティング後、個々のオブジェクトの質感を詰めて行きます。
ボクセル(土煙)等のライティングに関係のあるエフェクトもこの段階で準備し
テストレンダリングを行なって、エフェクトのライブラリを整備します。



【キャラクターセットアップ】
モデリングした形状データにボーン(間接)を設定し、
アニメーション出来るようにします。

キャラクターセットアップ中の画面。
赤く表示されてる物が「ボーン」と呼ばれる間接。
緑とオレンジ色の十字がIKゴール。

今回のムービーだと、スコープドッグの足にIKを設定し、
手や腕、腰アーマー、アンテナ等は手動でアニメーションをつけます。
コレも特別な設定はしていません。
IKオンにしてるだけの簡素なセットアップです。
(IKとは、 インバースキネマティクスの略で、
アニメーションを作る補助機能みたいなものです)


コレをシーンセットアップされた空間に読み込み、
スコープドッグの質感を詰めます。

舞台となるシーンで、最終的な質感の詰めを行う。
CGでリアルなシェーディングを作ろうとすると、ラジオシティー、GIと呼ばれる技術を使うことになる。しかし、これらの技術は膨大なレンダリング時間が必要なため、今回のムービーではレイトレーシングを使用した従来のレンダリング方式を使用した。

また、GIを使わない場合シェーディングが弱くなるので、ハイライトを上手く使い(CGっぽくなるが)画面のシェーディングを増やすような質感にした。

質感はこの段階で完全に決めてしまいますが、
カットによって質感を変える状況が発生する事があると思いますし
モデルの修正も当然ありえます。

ちなみにLightWaveの場合、
カットごとにオブジェクトを保存する事になり
ファイル管理に頭を悩ませます^^;



4.アニメーション(モーション)付け

カメラやキャラクターにモーション(動き)を
コンテに従って付けます。
ここの工程はず〜っと同じような作業の繰り返しです・・・
動きを付ける面白さや、楽しみはありますが
コンテで想定されたものを作り上げるのみです。

画像上
白っぽい曲線が「モーションパス」と呼ばれる、モーションの軌跡を表示したもの。

画像下
モーションを編集するグラフエディター。細かな微調整を行うのですが、使い勝手は良くない^^;

アニメーションとは、キャラクターに命を吹き込む事らしいので
生きたように見せるために頑張ります^^;
まだまだ良い動きが付ける事が出来ないので、日々勉強です。

モーション関連の資料(AA)

アニメーターズ・サバイバルキット(左)
アニメーションの基本が丁寧に書かれています。絵を使用し分かりやすい解説が、339ページにも及ぶ量でのっています。必見の一冊。

アニメーションの本(右)

ページ数が少ないのでアニメーターズ・サバイバルキットの縮小版のよう^^;
内容的にも似た感じのことが書かれています。


5.レンダリング

3DCGの場合、レンダリングと呼ばれる
PCにイメージを描画(計算)させる作業です。

CGに良くある鏡のような映りこみや、物体の影、ガラスの屈折など
写実的な表現を追加するたび、レンダリングにかかる時間が長くなります。
一概には言えませんが、リアルであればリアルであるほど計算が長くなると考える事が出来ます。

画像上
GLによる簡易表示。

画像下
レンダリングを行った画像。反射、表面のデコボコ感、影などなど
リアルに見えると思います。

また、煙、炎、水なども計算にかかる時間が長くなりがちですので、
イメージ品質とレンダリング時間とのバランス取りが重要になります。

このムービーの場合、一枚(1フレーム)レンダリングするのに
3分〜1時間の幅があり、平均すると1枚10分くらい使ってるのではないかと思います^^;;;



6.コンポジット&編集

【コンポジット】
レンダリングの項にも書きましたが
レンダリングは品質によって、とても時間の掛かるものです。

そのため、煙やスコープドッグ、背景、エフェクトと
それぞれレンダリグする要素を分け、個々に掛かるレンダリング時間を減らし
最終的に、それぞれの要素を合成する作業をコンポジットといいます。

個別の要素ごとに微調整が可能なため、
よりイメージに近づけるためにも、要素を分けておくのは重要だと思います。
コンポジットにはAdobe After Effectsというソフトを使用しました。

画像上
破片、煙など要素ごとにレンダリングした素材。

画像下
全ての素材を合成した最終画像。

LightWave7.5付近のバージョンは、
オブジェクト毎にアルファ出力の設定が可能なため
コンポジット向けに出力するファイルの管理が、格段に良くなりました。
お気に入りの機能です^^


【編集】
編集は、その物ズバリ
コンポジットした素材を編集ソフトでカット編集します。
コンテで設定したカットのタイミングや
映像のリズムを確認、調節し一つにつなげる作業になります。
編集にはAdobe Premiereというソフトを使用しました。

私の場合コンテで完全に映像をコントロール出来ないため(汗
モーション作業と平行して仮編集を行っています。
カットのつながりが不自然な場合、即モーションを修正して確認します。

音声、SE、曲も編集で入れます。
今回はSE、曲共にお願いしたので、出来上がった無音のムービーを渡し
それに合わせて全てのミックスまで行なったデータを頂いて、
オーディオトラックに放り込むだけでした^^;



7.完成

血と汗と涙と金の結晶が出来上がりです(笑
コンテで設定した情報が、視聴者に伝わっているか。
泣いても笑っても完成は完成です。

コストや全体のバランスが破綻していると、
完成にこぎつけるのが難しいです^^;
また、最大の敵はモチベーション!
作る気力が持たないと完成しません。

適度にネットゲーで憂さ晴らししつつ、完成させましょう!^^;


ムービー解説

今回解説に利用した「スコタコ大戦」のムービー解説です。
よろしければご覧ください