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modoのパーティクルで波紋を表現

パーティクルとテクスチャリプリケータで水面に広がる波紋の表現について書いてみます。
結論から言うとテクスチャリプリケータはパーティクルごとランダムに消えるような表現ができませんでした。

大まかな設定は前回の「パーティクルでアイテムに穴を開ける」と同じですが、パーティクル位置から発生させたパーティクルをParticle Operatorで制御してます。

パーティクルの設定は以下の通りです。Particle Simulation_1 は発射用で、Particle Simulation_2はコリジョンと衝突したときにパーティクルを発生させる用のシミュレーションです。

スケマティックも前回とほぼ同じです。 Particle Operator の「寿命」を自身の「サイズ」にリンクすることで、パーティクルが発生してから徐々にサイズが大きくなるように設定しています。イーズイン、イーズアウトをより詳細に制御したい場合はチャンネルリレーションシップを使うと便利です。

スケマティックでは「寿命」を「ディゾルブ」にリンクしていますが、テクスチャリプリケータは「ディゾルブ」に対応していないため透明にならないようです。(リプリケータ、ボリューム、ブロブにはディゾルブが正しく反映されます)

波紋が消えるシーケンスデータを設定すれば寿命に合わせてアニメーションするんじゃないかと思って試したましたが、レイヤーの不透明度と同様に同じフレームで全てのパーティクルが消えてしまいました。もし渇するとリプリケータで波紋のメッシュを発生させて、シェーダーノードを使ってメッシュとのレイ判定をバンプに設定すればうまく行くかも知れません。

波紋のテクスチャは Gradient Fill レイヤーを使用しました。Gradient Fill は放射状のグラデーションを手軽に作れるので便利です。レイヤーエフェクトは「バンプ」に設定して、テクスチャリプリケータに Particle Simulation_2 を設定することでパーティクルの位置に波紋を発生させています。
上記の通り波紋が個々に消えるタイミングは上手く制御できなかったので、単純にレイヤーの「不透明度」に100から0に変化するキーを設定しました。


 

今回はSFっぽいエフェクトにも使えるように、パーティクルが衝突したタイミングで波紋を発生させたかったかったのですが、残念ながらテクスチャリプリケータでは表現できないようでした。単純に雨の波紋を作りたい場合は「Rainレイヤー」を使用すると簡単かもしれません。

次回も引き続きパーティクル制御で、オブジェクトが砕けるような表現について書いてみたいと思います。

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modoのRainレイヤー

modoには「拡張 : Modo テクスチャ」として147種類のプロシージャルレイヤーが搭載されています。他の3Dソフトに比べてかなり強力です。今回はそんなプロシージャルレイヤーのRainについて書いてみます。

Rain レイヤーはその名の通り雨で水面に波紋が発生するような表現に適したレイヤーです。「時間」に0~100%を繰り返すカーブを設定することで、ループする波紋を簡単に作成することができます。ちょっとした雨の表現が欲しいときに便利かもしれません。

Rain レイヤーに限らず拡張 : Modo テクスチャには「時間」というパラメータを持ったレイヤーがいくつか存在します。「時間」を持ったレイヤーはアニメーションでループ可能なので、ゲーム向けの素材作成なんかにも使えるんじゃないでしょうか。

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modoのレイオフセット係数

modo 11.2 以前のバージョンではデフォルト設定でローポリをレンダリングすると、レイトレースのセルフシャドーがバキバキして目立つという問題がありました。

modo 901 頃からは Render 設定の「レイオフセット係数」を調節することで、この問題を回避する事ができます。「レイオフセット係数」はプロパティーには表示されないため、チャンネルビューポートで編集する必要があります。ローポリモデルをレンダリングするときは知ってると役に立つかもしれません。

 

「レイオフセット係数」はレイトレースをオフセットさせるためのパラメータなので、値を大きくすると影が出なくなったり不正確な形になります。

 

このレイトレースの影は「レイトレースシャドーターミネーター問題 (Raytrace Shadow Terminator Problem)」というレイトレーシングアルゴリズムの一般的な問題らしいです。LightWave、Maya Software 、Octaneなど他のレンダラーでも同じような問題を発生させることができます。大抵の場合は回避用のパラメータがあって、デフォルトでは目立たない値が設定されています。

 

modo 12 はこの問題が発生しなくなったという話を見かけたので「レイオフセット係数」のデフォルト値が変わったのかと思いましたが、値は変わっていないようです。何かレンダリングの計算が変わったのかしら?

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modoのパーティクルでアイテムに穴を開ける

パーティクルとテクスチャリプリケータでアイテムに穴を開ける表現について書いてみます。
大まかな設定は前回の「パーティクルでアイテムを濡らす」と同じですが、今回はパーティクルがコリジョンと衝突したら消滅して、新たにパーティクルを発生するように設定しています。

パーティクルの設定は以下の通りです。Particle Simulation_1 は発射用で、Particle Simulation_2はコリジョンと衝突したときにパーティクルを発生させる用のシミュレーションです。

スケマティックも前回とほぼ同じです。 Particle Operator の「衝突イベント」を自身の「消滅」にリンクすることで、コリジョンに衝突したタイミングでパーティクルを消滅させている点が違います。

レンダリングの設定は Constant レイヤーのレイヤーエフェクトを「ディゾルブ」に設定し、テクスチャリプリケータにParticle Simulation_2 を設定してアイテムに穴が開いたように見せています。単純ですね。

 

パーティクルがアイテムと衝突するだけなら「パーティクルで文字を書く」と同じで、新たにパーティクルを発生させなくてもいいんじゃないか?と思うかもしれません。

最初はそう設定していたのですが、テクスチャリプリケータの「ランダムサイズ」「ランダム回転」を使用すると、アニメーションレンダリング時に、一部のパーティクルでフレームによってパーティクルのサイズや回転が変わってしまうという問題が発生しました。原因は謎ですがコリジョンの影響でフリップしているように見えたので、新しくパーティクルを発生させることで問題を回避出来ました。

 

他にも穴を開けるような表現をする場合は、リプリケータとレンダーブーリアンを使うこともできます。下の画像では色を設定していますが、マテリアルの設定でディゾルブを100に設定すると透明にくり抜くことができます。
レンダーブーリアンはメッシュの形状を使用して複雑なくり抜きができますが、メッシュが重なっている箇所で望ましくないレンダリング結果になることがあります。欲しい表現に適した方法を選択するといいと思います。

 

次回も引き続きパーティクル制御で、雨の波紋のような表現について書いてみたいと思います。

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modoのパーティクルでアイテムを濡らす

今回もパーティクルとテクスチャリプリケータでアイテムを濡らすような表現について書いてみます。
大まかな設定は前回の「パーティクルで文字を書く」と同じですが、今回はパーティクルがコリジョンと衝突したら、パーティクルを発生するように設定しています。

 

パーティクルの設定は以下の通りです。Particle Simulation_1 は流れ落ちるパーティクル用で、Particle Simulation_2はコリジョンと衝突したときにパーティクルを発生させる用のシミュレーションです。

modoではパーティクルから別のパーティクルを発生させたい場合は、Particle Simulationノードを複数作成します。Particle Simulation 間の連携は Collector / Emitter ノードを使用します。Particle Operator はリンクされた Particle Simulation のパーティクルを制御するためのノードです。

このスケマティックでは Particle Simulation_1 に Particle Operator をリンクし、「特長の追加」から「衝突イベント」と「位置」を追加しています。
「衝突イベント」はコリジョンと衝突した場合に、衝突したことを出力するチャンネルです。これを Collector / Emitter の「パーティクル放射」にリンクすることで、コリジョンに衝突したタイミングでパーティクルを発生させています。
「位置」はそのままパーティクルの位置です。 Collector / Emitter にも「位置」を追加してリンクすることで、 Particle Simulation_1 の個々のパーティクルの位置からパーティクルが発生するようになります。Particle Operator と Collector / Emitter の ◇ をリンクするのを忘れがちなので要注意です。

パーティクルの速度や重量のによりますが、パーティクルが線のように発生しない場合は Particle Simulation_1 の ステップ数を 8 など大きな値を設定すると「衝突イベント」の回数が多くなり、線のようにパーティクルを発生させることができます。

レンダリングは前回同様に Constant レイヤーをテクスチャリプリケータで設定しています。濡れたマテリアルを作成して「レイヤーマスク」、あと「バンプ」を追加してます。

次回も引き続きパーティクルとテクスチャリプリケータで、オブジェクトに穴を開ける表現について書いてみたいと思います。

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modoのパーティクルで文字を書く

パーティクルとテクスチャリプリケータ機能で文字を書くような表現について書いてみます。パーティクルとコリジョンの設定方法がわからない場合は、modo Japan Groupのチュートリアルがお勧めです。

パーティクルの制御は見たままで単純です。エミッターを文字の形になるように一筆書きでアニメーションしています。文字間は「放射レート」にキーを設定してパーティクルが出ないように設定しています。
エミッターの設定は放射タイプを「均一」に変更して、一定間隔でパーティクルが発射されるようにしています。さらに「速度継承」をOFFにして、エミッターの移動がパーティクルに影響をあたえないように設定しています。

 

コリジョンの設定も単純で「跳ね返り」「マージン」「パーティクル衝突粘性」を 0 にします。これで平面にあたったパーティクルがその場で停止します。

 

文字部分のレンダリングはテクスチャリプリケータ機能を使用します。単色の線を表現する場合は Constant レイヤーを使うのが手軽です。Constant レイヤーは単色塗りつぶし専用のレイヤーです。ブレンドモードで画像の色味を少し変えたい場合なんかにも便利に使えます。

 

テクスチャリプリケータの機能が把握出来れば、作り方は簡単に想像できたんじゃないでしょうか。次回はもう少し手間の掛かったパーティクル制御でアイテムが濡れる表現について書いてみます。

 

参考

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modoのパーティクルの基礎

パーティクルの基礎で、パーティクルで発生しやすい問題の対処方法について書いてみたいと思います。

パーティクルが震える

パーティクルが平面とコリジョン判定するようなシーンで発生しやすいのが、パーティクルが静止せずプルプル動き続ける現象です。

これはコリジョンアイテムのダイナミクス設定「パーティクル衝突粘性」のデフォルト値の 50 mm 原因です。「パーティクル衝突粘性」を 0 または 100 mm など大きな値にすることで解決することができます。


「パーティクル衝突粘性」はパーティクルがコリジョンアイテムの表面をどの程度の距離くっつくかという設定です。水がアイテム表面をつたうような表現のときに使用できます。

パーティクルが停止するかしないか微妙なときに、「パーティクル衝突粘性」の値が影響して震える現象が発生するような気がします。

 

パーティクルがコリジョンを突きぬける

パーティクルの速度が速い場合に、コリジョンを突きぬけてしまうことがあります。これは Particle Simulation の「ステップ」の値を大きくすることで解決することができます。
「ステップ」は「シミュレーションを演算」した場合のみ確認できます。シミュレーションの再生ボタンによるプレビューは「ステップ」1 固定なので注意が必要です。

 

パーティクルの軌道がカクつく

パーティクルエミッターの移動速度が速い場合に、パーティクルの軌道がカクカクしてしまうことがあります。これも Particle Simulation の「ステップ」の値を大きくすることで解決することができます。

modoに限らずCGのシミュレーションはデフォルトで1フレーム単位で計算するソフトが多いです。パーティクルの速度やエミッターの移動が速い場合は、1フレーム間隔だと計算精度が足りなくなりコリジョン抜けやカクつきが発生します。そんなときのために1フレーム間隔より細かく計算するための設定が「ステップ」です。計算量は指数関数的に増えますが、正確な計算結果を得ることができます。

modoではパーティクルとメッシュのコリジョンを設定するために「ダイナミックコライダー」を適用すると solver アイテムが追加されます。 solver アイテムにも「演算精度」という「ステップ」と同じような設定がありますが、「演算精度」を上げてもパーティクルの突きぬけには変化がないようです。リジッドボディーやソフトボディーと連携する場合には「演算精度」が影響してくるのかも知れません。

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TurbulenceFDのキャッシュをVDBに変換する方法

LightWaveやCinema4D用のフルードダイナミクスプラグイン TurbulenceFD のキャッシュファイルをVDBに変換する方法について書いてみます。

今まで気がつかなかったのですがTurbulenceFD v1.0 Build 1422(2017-03-23)からbcf2vdbコマンドラインユーティリティが追加されました。bcf2vdbはTurbulenceFDのキャッシュファイル.bcfを.vdbに変換するツールです。このツールはプラグインの圧縮ファイルに含まれているので最新版をダウンロードしてみてください。

変換方法
  1. コマンド プロンプトを起動します。
  2. コマンド プロンプトウィンドウに bcf2vdb.exe をドラッグアンドドロップします。
    ドラッグアンドドロップすると、コマンドプロンプトにbcf2vdb.exe へのパスが表示されます。
  3. スペース キーを押します。
  4. キャッシュファイル.bcfを保存しているフォルダをドラッグアンドドロップして、エンターキーを押します。.bcfと同じフォルダに.vdbファイルが生成されます。

このツールはファイルの保存先やファイル名のパターン、レンダリングする必要がないチャネルを選択することができるようです。

このツールを使うとLightWaveやCinema 4Dで計算したシミュレーション結果を他のソフトで使用することができるようになります。これは便利ですね!

 

参考

https://forum.jawset.com/viewtopic.php?p=6278#p6278

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modoのテクスチャリプリケータ

modoにはアイテムをメッシュの頂点に複製する「リプリケータ」という機能がありますが、テクスチャ版の「テクスチャリプリケータ」という機能が便利なので紹介したいと思います。

テクスチャリプリケータ はアイテムの頂点にテクスチャを配置することで、模様を作ったりテクスチャのタイリングを目立たなくしたりに使える機能です。

画像だけでなくプロシージャルテクスチャにも使用する事ができます。ノイズテクスチャを使用すると下の画像のようになります。

Surface Generatorと併用することで、アイテムのメッシュに依存することなくランダムにテクスチャを散布することができます。
modoはプロシージャルテクスチャ機能が豊富なので、ゲーム向けにテクスチャをベイクして活用したいときなんかにも便利に使えると思います。

Gradient レイヤーにはテクスチャリプリケータに関連する設定があります。入力パラメータを「テクスチャパーティクルID」に設定するとランダムな色を設定することができます。

入力パラメータを「ロケータまでの距離」に設定すると、放射状のグラデーションにすることができます。

 

テクスチャリプリケータの面白いのが「パーティクルソース」にParticle Simulationを指定できて、パーティクル特性を利用できることす。例えばパーティクルが「サイズ」が徐々に大きくなるように設定すると、テクスチャリプリケータに反映されます。
下の画像はシェーダーツリーでレイヤーエフェクトを「ディフューズ色」と「バンプ」に設定したものです。

スケマティックも貼っておきます。Particle Operator に「寿命」と「サイズ」を追加して、「寿命」チャンネルを「サイズ」にリンクします。これで個々のパーティクルが発生してから徐々に大きくなるように設定しています。

 

あまり語られることはありませんが、modoのパーティクルはモデリング、レンダリングに次いで強力な機能だと思います。パーティクル機能とテクスチャリプリケータを併用することで、水の波紋オブジェクトが濡れる表現文字を書く、など他のソフトでは専用プラグインが必要そうな表現を標準機能だけで作ることができます。

バンプを使用すると航跡波っぽい表現もできます。試しにコースティクス設定したら思いのほか綺麗にレンダリングできました。

次回はパーティクルとテクスチャリプリケータ使ったエフェクト的な表現について書いてみたいと思います。

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modoでグリッドアセンブリの作り方

手続き的にグリッドを表示するアセンブリの作り方を書いてみます。

modoのロケータはデフォルトで十字アイコンですが、「シェイプ」を「カスタム」にすることで、リギングに使えるプリミティブ形状を設定することができます。LightWaveには「Item Shape」という同じような機能があるのですが、modoに搭載されていないシェイプ形状として「 グリッド 」があります。

modo11.0からプロシージャルメッシュを「ワイヤフレーム」表示することができるようになったので、プロシージャルのCubeをリギングすれば簡単にグリッドのアセンブリを作ることができます。

アセンブリの中身はこんな感じです。

作り方で迷いそうなのは、軸XYZを切り替えたときにCubeのサイズXYZへの出力を切り替える部分でしょうか。
軸の切り替えはチャンネルタイプ「軸」の値を、条件式ノード「A は B と等しい」を使用してスイッチしています。値が等しい場合は「1」を、値が異なる場合は「0」を出力します。
あとは条件式ノードの出力値を演算ノードで乗算することで、指定された軸にみえるCubeの「サイズ」にのみ「Scale X」「Scale Y」の値が流れるようにしています。

スクリプトとかプログラム的なことはよくわからないので、条件式を使った切り替え方法としてこういう使い方が正しいのかわかりませんが、やりたいことはできている気がします。

補足ですが、ビューポートでアイテムをワイヤフレーム表示するには「3Dビューポートプロパティ / アクティブメッシュ」で、「描画スタイルの独立」をONのする必要があります。

 

Cubeの大きさに合わせてセグメントの分割数を増やす動作は、モデリング系のアセンブリにも使えるんじゃないかと思います。

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modoで関節の位置にあるロケータでアップベクターを制御する方法

前回に引き続きIK制御に関連したリグの作り方です。IKで制御されている関節の位置にコントローラーを配置して、そのコントローラーを回転してアップベクターを制御するリグの作り方を書いてみます。

 

このリグは好き好きあると思いますが、IKの「モディファイヤ依存ループ」を回避する方法として紹介してみたいと思います。基本的には「IKゴールの移動範囲を制限する方法」と同じで、IK制御に関連しない階層を使用するのがポイントです。

作成手順です。

  1. IKとアップベクターが設定されてたシーンファイルを準備します。
  2. ロケータを3個追加します。
    追加したロケータはそれぞれ、スケルトンの位置、アップベクター位置、IKゴール位置に配置します。アイテムの配置はドロップアクションの「位置を一致」を使用すると便利です。
  3. ロケータに親子関係を設定します。
    アップベクターに配置したロケータを、IKゴールに配置したロケータにペアレントします。IKゴールに配置したロケータを、IKゴールにペアレントします。
    アイテムのペアレントはドロップアクションの「同位置でペアレント」を使用すると便利です。
  4. スケルトンの「ワールド位置」を、スケルトンの位置に配置したロケータにリンクします。
    チャンネルビューポートから「ワールド位置」をスケマティックに追加して、ロケータの「ワールド位置」にリンクします。これにより異なる階層にあるロケータが、スケルトンにペアレントしたように動作します。
  5. 同様にアップベクターの位置に配置したロケータの「ワールド位置」を、アップベクターにリンクします。
    本来はスケルトンの位置のロケータに、アップベクターを直接ペアレントできればスマートなのですが、「モディファイヤ依存ループ」が発生してしまいます。このため異なる階層にあるロケータの「ワールド位置」をアップベクターにリンクすることで「モディファイヤ依存ループ」を回避しています。
  6. スケルトンの位置のロケータの回転Yを、IKゴール位置のロケータにリンクします。
    これでスケルトンの位置にあるロケータを回転させることで、アップベクターの位置を変更することができるようになります。

このあたりのリグの組み方がわかると、IKの「モディファイヤ依存ループ」に苦しまずに済むかも知れません。

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modoでIKゴールの移動範囲を制限する方法

前回modoのIKについて書いたので、ついでにIKに関連したリグの組み方の例として、IKゴールの移動範囲を腕や脚の長さより遠くに移動しないように制限する方法を書いてみます。

 

LightWave のIKには「ゴールを接着 (Keep Goal In Reach)」という機能があり、IKチェーン(IKによって制御されているスケルトン)の長さより遠くにIKゴールが移動しない設定がありました。この設定をmodoで再現したものです。

作り方は単純でDistance Constraint を使用してアイテムの移動範囲を制限します。

作成手順です。

  1. IKの始点と同位置にロケータを作成して、ロケータの子のスケルトンにIKを適用します。
    これはFBIKのアップベクターの作成手順で使用する階層構造と同じです。
  2. Distance Constraint を作成します。
    Distance Constraint はその名の通り、距離でコンスレイントするモディファイヤです。
  3. ロケータを作成して、IKゴールの位置に移動します。
    ロケータをビューポートでドラッグアンドドロップ(長押し)すると、ドロップアクションメニューが表示されるので「位置を一致」を選択すると簡単に同じ位置にアイテムを移動できます。
  4. IKゴールをロケータの子にし、ロケータの「ワールド位置」をスケマティックに追加します。
  5. Distance Constraint を設定します。
    IKチェーンの親のロケータと、IKゴールの親のロケータの「ワールド位置」を Distance Constraint の「起点」と「終点」にリンクします。Distance Constraint のプロパティでクランプを「最大」、距離をIKチェーンの長さに設定します。画像ではIKチェーンの長さを計るために、測定モディファイヤの Measure Distance を使用しています。
  6. 最後にMeasure Distanceの「位置出力」を、IKゴールの親のロケータにリンクします。
    IKを制御するときはIKゴールを直接編集するのではなく、ロケータを編集することでIKチェーンの長さより遠くに移動しない状態になります。親アイテムを移動したときもIKゴールが一緒に引っぱられて動きます。
    注意点としては、見た目は制限されていてもトランスフォームの値は生きていることです。IKゴールを遠くまで移動してしまうと、IKチェーンの親アイテムを移動したときに、なかなかゴールに到達しない感じになります。

IKに関連したリグを組もうとすると発生しやすい問題が「モディファイヤ依存ループ」です。IKはIKゴールの位置を使用してスケルトンの位置や角度を計算するため、IKチェーン内のスケルトンの位置や角度を使用してIKゴールを操作しようとすると処理がループしてしまい計算不能になります。

IKに関連したリグを作るときは、IKチェーンと関係ない階層のアイテムを使用するとうまく行くと思います。

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modoのインバースキネマティクス

modoのIKについて書いてみたいと思います。
modoには「Dual Joint Planar IK」と「Full Body IK」2種類のIKがあります。それぞれメリットとデメリットがあり、アニメーション用途で安定したIKが必要な場合は「Dual Joint Planar IK」がいいかもしれないという話です。

 

IK とは?

3DCGでアニメーションを作成する場合、ざっくり「FK」と「IK」2種類の制御方法に分かれます。

IKは元々工業用のロボットアーム制御用に開発された技術で、人間の腕のように複数の関節で構成されている階層構造を効率的に制御するための機能です。
ロボットの関節角度を決めるとき、階層構造の親から順に計算する方法を FK (フォワードキネマティクス) 、子の位置から親の関節角度を計算する方法を IK (インバースキネマティクス) といいます。

例えば腕が何かをつかむ場合に、「上腕」「前腕」「手のひら」を個別に回転して姿勢を決める方法が FK です。

 

複数の関節位置を「IKゴール」と「アップベクター(ポールベクター)」を使用して姿勢を決める方法が IK です。「IKゴール」は手の到達位置、「アップベクター」は肘の方向を指定するのに使用します。

FK は関節を個別に回転する必要があるので、関節数が多い場合にアイテムを一つ一つ回転する必要があります。IK は「IKゴール」と「アップベクター」2アイテムで全ての関節を制御できます。

一見FKよりIKの方が便利なように見えますが、それぞれアニメーションの内容によって向き不向きがあります。例えば走るアニメーションの場合、手の振りはFKが使いやすく、脚の動きはIKが向いています。そのため多くのIKはFKとブレンドしたり、切り替えることができるようになっています。

 

さて、ここから本題です。
modoには「Dual Joint Planar IK」と「Full Body IK」2種類のIKがあり、それぞれメリットデメリットがあります。

 

Dual Joint Planar IK

シンプルなIKモディファイヤです。IKで制御可能な関節数が2つに限定されています。

  • 使用できる関節数に制限あり(2関節)
  • アップベクター対応

IKで制御される関節の位置は、IKの始点となる関節位置、IKゴール、アップベクターの3点からなる仮想平面上を移動するように動作します。このためIKの始点、IKゴール、アップベクターのいずれかが完全に重なった(平面が形成できない)場合は、IKは計算することができなくなります。

3DソフトのIKは、だいたいこんな動作になってると思います。

 

Full Body IK

IKinemaというライブラリを組み込んだフルボディーIKシステムです。
Full Body IKはその名の通り、手を引っぱると自動で体全体が自然な姿勢を保ってくれる、聞くだけなら夢のようなIKシステムです。またモーションキャプチャデータを体格の異なるスケルトンにリターゲッティングするのに使用されます。
Dual Joint Planar IK のように関節数に制限はありませんがアップベクターをサポートしていません。

  • 使用できる関節数に制限なし
  • アップベクター非対応
  • モーションのリターゲット

画像ではアップベクターの設定にmodo標準の「方向コンストレイント」を使用しています。IKの始点の関節と全く同じ位置にロケータを作成し、IKを設定するスケルトンをロケータの子の階層におきます。ロケータからIKゴールに方向コンストレイントを設定します。方向コンストレイントの「上方ベクトル (アップベクター)」を設定することで、IKのアップベクターのような動作を設定しています。

 

Full Body IKは不安定?

Full Body IKは高機能で便利そうですが、modoではアップベクターをサポートしていないためリグを構築したりする場合に不安定になるという問題があるようです。

スケルトンの位置にいくつか制限があり、スケルトンが完全に直線的に配置されてる場合に不安定になります。
一般的に直線的に関節が配置されてる場合は、Dual Joint Planar IKを含めIKが正しく動作しないか不安定になります。IKを使用する場合は少し関節を曲げるのがIKのお作法ですが、Full Body IK ではIK制御下にない親の位置も影響するような気がします。IKが上手く動かないときは、スケルトンの位置をずらすと上手く動くようになるかも知れません。

上の画像のように方向コンストレイントを設定する方法はmodo 601のチュートリアルビデオ 「Fireboy」で紹介されていたもので、後にMattさんやMODO JAPAN GROUPさんがビデオで紹介しています。
親が回転するからそれっぽく動いてるだけで、Full Body IK がアップベクターとして計算に使用してるわけではないので、この疑似アップベクターではIKが不安定になるのではないかと思われます。

Full Body IK を安定させる方法として、「精度」を 2 から 3 に上げるといくらか改善することがあります。

 

Full Body IK が不安定という問題は Foundry フォーラムで繰り返し話題になっていて、以下のスレッドでは Sergio さんが Full Body IK についてコメントしています。
https://community.foundry.com/discuss/topic/122645/fbik-leg-rig-is-acting-super-strange

これが私がFBIKソルバを多く使うことができない理由の1つです。
それは気の利いたアップベクターが欠けている!! 誰かがそれを取り上げる前に、Mattの回避策は必ずしも機能しません。

FBIKはやんちゃで、 Planar IKは途方もなく制限されています。
使用可能なIKソルバーを取得するまで、Modoでキャラクターを作成することは苦痛を伴うことになるでしょう。(それは自分のコースのスレッドで述べていますが、これは本当に対処する必要があります。)

Mattの回避策でも作業するのは非常に難しく、アップベクターの位置を常に調整しなければならない。

そのような脚は古い方法が良いと思う。複数のPlanar IKチェーンを重ねる。 1つは脚、2つは足用です。

Sergio Mucino さんは Maya、Modo、Softimage、3ds maxを使用するTD/Riggerの方で、映画「アイアンマン3」や「デッドプール」に参加されてます。有料チュートリアル「キャラクターリギングコース」をリリースしている方でmodoに精通していると思われます。

Sergio さんが難しいと言ってる以上、Full Body IKを使用して安定したアップベクターの設定方法を見つけるのは難しいように思います。

 

 

まとめ

Full Body IK がアニメーションで動作が安定しないなと思った場合には、「Dual Joint Planar IK」を試すといいかもしれません。
アニメーションの作成方法は様々です。アップベクターが不安定でもキーをたくさん打て制御するのが苦にならなければ Full Body IK で問題ないと思います。3ds MaxのBipedはアップベクターもなく「鎖骨」「上腕」「前腕」「手のひら」全部まとめて1つのキーフレームで管理する変わったシステムだったりするので、気にしなければ気にならない問題かもしれません。

 

ちなみにフルボディーIKの特長である「手を引っぱると自動で体全体が自然な姿勢」というのは、手付けのアニメーションでは使われることが少ないようです。フルボディーIKらしいIKを使ったことないので具体的なことは書けませんが、決めたポーズが勝手に動いてしまうのでアニメーターには不評なようです。

Mayaには MotionBuilder 由来の HumanIK  というフルボディーIK機能を搭載していますが、個人サイトや小規模なアプリ開発を除くと、フル3Dの映画やゲームのモーション制作に使われているという事例を見かけることが少ない気がします。

ゲームのようにインタラクティブにアニメーションが変化するものや、アニメーションのリターゲッティング、モーションキャプチャのデータ補正には有用な技術だと思います。

LightWaveもVer 9まではIKが弱くアニメーションでガクガク震えることがありましたが、まさかmodoでもIKに悩まされるとは思いませんでした。(´Д`υ)

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modoでカメラ ブレンド リグの作り方

トランスフォーム コンストレイントを使用して、複数のアイテムの位置や回転をブレンドするリグの作り方について書いてみたいと思います。

3DCGは意外とカメラの制御が難しかったりします。例えば商品説明のように決められたカメラ位置の間を滑らかに移動したい場合や、宇宙探査機のスイングバイのように異なる運動曲線間をスムーズに繋げるのに苦労することがあります。
複数アイテムのマトリクスをシーケンシャルにブレンドすることで、下の画像のようなカメラブレンド アセンブリを作ることができます。

画像ではカメラ直接使用していますが、カメラをペアレントしたロケータをブレンドした方がいいと思います。
アセンブリの中身です。

左から右に解説します。

  1. グループロケータにユーザーチャンネル「Mixer」を追加しています。チャンネルタイプは「パーセンテージ」、マトリクスのブレンド制御用のチャンネルです。
  2. 同じくグループロケータにユーザーチャンネル「Pos_x」「Rot_x」を追加します。チャンネルタイプは「行列」で、位置と回転用のマトリクスチャンネルです。
    グループロケータ「Item_x」が複数存在するのは、Transform Constraint の仕様に対処するためです。Position Constraint の「Weight.」チャンネルを見るとわかりますが、Transform Constraintは入力されたアイテム名でチャンネルを管理します。このため1つのグループロケータに複数のマトリクス チャンネルを追加して管理しようとしても同じチャンネルとみなされて上手く動きません。
    これらのユーザーチャンネルは「アセンブリ入力」としてチャンネル公開します。
  3. Position Constraint と Rotation Constraint ノードを追加します。
    Constraint ノードの「入力」にマトリクスチャンネルをリンクすると「Weight.アイテム名」チャンネルが追加されます。「入力」には複数のマトリクスをリンクすることができ、各「Weight.」の値でコンストレイントの強さをブレンドすることができます。
  4. Channel Relationship を追加します。
    「Mixer」チャンネルの値を Channel Relationship を経由して「Weight.」チャンネルを制御します。
    制御方法は単純です。「Mixer」が100%のとき「Weight.Item_1」が100%、それ以外の「Weight.」は0%になるようにすれば、Weightを制御できます。同様に「Mixer」が200%のとき「Weight.Item_2」が100%、それ以外の「Weight.」は0%になるようにするため、Relationshipのグラフはリニアな山型に設定します。各ノードで100%ずつシフトしてる感じです。
  5. 最後にConstraint ノードの「出力」を、グループロケータのユーザーチャンネル「Out_Ppos」「Out_Rot」を経由して「アセンブリ出力」します。

Constraint ノードの「Weight.」が全て0とき全て0を出力するようで、 「Mixer」が 0のときアイテムが突然ワールド原点に移動するような挙動になります。

結構単純なアセンブリですが、モーションミキサー作ってるみたいで面白いですね。
今回は位置と回転だけのブレンドですが、Scale Constraintを使えばスケールも対応する事ができます。好みに応じてカスタマイズすると面白いと思います。