参考資料

「ゴジラ S.P」VFXメイキング

TVアニメ「ゴジラ S.P」のVFXメイキング記事が公開されています。

https://cgworld.jp/feature/202106-godzillasp.html

パーティクルSIM:適材適所のツール選びで画づくりに挑む

シミュレーションが必要なパーティクルエフェクトは、3ds MaxをベースにPhoenix FDやFumeFX、RealFlowなどを適材適所で使用。また汎用素材を作成するため、実験的にリアルタイムエフェクトツールのEmberGenも使用した。

 

大群で飛来するラドンの群れ

ラドンの量と移動距離が膨大でシミュレーションコストがかかるため、このようなエフェクトはできるだけAfter Effectsによる処理を完結できるように工夫している。

 

引き波の表現

マンダとゴジラが海面近くを泳いでいるときの引き波のエフェクト制作。

tyFlowによる水しぶきのシミュレーション。海面にマンダが触れるとパーティクルが発生するよう設定し、Frostでメッシュ化した。

 

Phoenix FDによる引き波のシミュレーション。

 

カットバイで対応したゴジラが浮上するカット

ゴジラのテクスチャは、本カット用にベースとなるテクスチャに対してSubstance Painterでディテールを描き加え、アップに耐える質感に修正している。水飛沫のエフェクトも、FumeFXでシミュレーションしたベロシティ情報を利用してStokeでパーティクルを生成し、アップでもディテールがわかるように細かいミストを作成。さらに、RealFlowやtyFlowで作成した粒子素材を合成している。

FumeFXのベロシティ情報を使ってStokeでパーティクルを生成し、Krakatoaでレンダリングした粒子素材。

カメラの寄りに耐えられるよう、Substance Painterでディテールアップしたゴジラのテクスチャ素材。

RealFlowで作成した粒子素材

tyFlowで作成した粒子素材

 

アンギラス特有の虹色バリア表現

防御姿勢を示す怪獣アンギラスの体表エフェクトのブレイクダウン。

3ds Maxで作成したバリア素材

AfterEffectsのコンポ上で調整した素材

バリア表現を行うため、体表に沿って移動するパーティクルについて、UVを利用してテクスチャレンダリングしたもの。連番動画として用意したこの素材を全身に貼り付けてレンダリングしたものが、バリアの波紋表現のためのマスク素材となっている。

 

ベーシックな水中の紅塵エフェクト

Phoenix FDで作成した紅塵素材。ゴジラの表面から均等に放出されないようエミッタを作成している。

Phoenix FDで作成したパーティクルを使用し、Frostで任意のジオメトリ素材に置き換えて作成した素材。

Phoenix FDで作成したパーティクルをKrakatoaでレンダリングした素材。

 

地下から吹き出す特殊な紅塵

舞い上がるように吹き出してくる紅塵エフェクトのブレイクダウン。

RealFlowでの流体制作。複数のAtractorを使って、このカットに特徴的な流体のふるまいを制御している。

RealFlowで作成した流体を3ds Maxに読み込み、デフォームとタイミングを調整してKrakatoaでレンダリングした素材

 

熱線を吐く迫力満点のゴジラ

PV用の熱戦放出カットのブレイクダウン。

FumeFXで作成した熱線素材

背びれの素材に対してAfter Effectsでグローをかけている

 

アニメ的ルックを担保した爆炎カット

ビルが大規模に爆発・破壊されるカットのブレイクダウン。

tyFlowで作成した塵の素材

Phoenix FDで作成した爆炎のメイン素材。ビルに激突する凹凸のある半円をエミッタにし、広がる爆炎を表現している

電柱の素材。揺れる電線はtyFlowで作成した

tyFlowで作成した揺れる木の素材

 

バリエーション豊かな汎用素材を活用した爆炎カット

本作での技術的なチャレンジのひとつとして、EmberGenを利用した汎用エフェクト素材の作成が挙げられるEmberGenで作成したエフェクト素材はライブラリとしてまとめてあり、コンポジット班などでも利用できる。

爆炎の中を歩くゴジラのカットでは多数の汎用素材で複雑な炎の様子を描くことができた。

EmberGenで作成した火の粉の素材

EmberGenで作成した汎用エフェクト素材の一例

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