参考資料

映画「STAND BY ME ドラえもん 2」メイキング

映画「STAND BY ME ドラえもん 2」のメイキング記事が公開されています。

https://cgworld.jp/feature/202101-cgw269t2dora.html

制作環境の変化

制作環境は3ds Max 2011から3ds Max 2017へと変化(3ds Max 2019でない理由は、当時の制作実績と安定性を加味しての判断とのこと)。これに伴い、V-Rayもバージョンアップされている。

データのコンバート作業や細かな修正などの必要が生じ、結果的にはアセットのブラッシュアップ以外の部分でも一定の工数を要した一方で、当時はできなかったヘアも含めたV-Rayレンダリングや、ACESによるカラーマネジメントが実現した。

作業モニタとスクリーンの色味の差を抑える目的でACES規格を採用したため、コンポジットには新たにNukeが取り入れられている。

 

分業化したワークフロー

ワークフローは、シナリオおよびコンテの完成からレイアウト作業に着手。レイアウト作業が完了したら順次キャラクターアセットの制作およびブラッシュアップ、ミニチュアの作成および撮影などの各工程を進行するかたちとなっており、その後ライティング工程、コンポジット工程を経て完成形となるながれとなっている。

 

ACESの採用

前作の制作時に課題となったのが、「PCモニタで作業している際の色味と、スクリーンに投影した際の色味が異なる」という状況への対応方法。

従来は作品を映画館のスクリーンに投影し、モニタと見比べながら最終的なカラコレ作業を行なっていたが、この方法では基本的な描画方式が異なるためにどうしても合わせられない色味が存在した。そこで本作では、標準的なカラーマネジメント規格となる「ACES」を採用。さらに、ACESで作業しながらも前作(sRGBカラースペース)のトーンと一致させるための色調補正値を作品トーンのLMTとしてOCIOに組み込み、NukeのViewerで再現、色味の差異を小さくしている。

標準sRGB

sRGB(ACES)

作品トーンLMT+sRGB(ACES)

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